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日々の雑感
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| 2004/5/2 (Sun) |
記憶 |
昨日、横になってウトウトしながら、
自分の高校時代のことを思い出していた。
この一ヶ月、高校の物理教師として働き始めてからというもの、
折に触れては自分が高校生の頃のことを思い出そうとしていたけれど、
こんな風にビビットな記憶を呼び起こすことができたのは
本当に久しぶりのことだった。
友人や教師の顔、クラスの雰囲気、授業や部活のこと、
校舎のあちこちの風景や匂い、登下校の道。
様々な記憶が互いに絡み合いながら浮かび上がってくる。
そう、確かに生きていた、あの頃のオレ。
そんなイメージの断片、断片は緩やかに封印され、
澱を為して心の片隅に沈んでいたのだ。
象徴化され、言語化され、無味乾燥な姿となった出来事の残滓だけが
意識の表層を漂い、あたかも定かな記憶であるかのような顔をしていた。
何てこと。僕はこれだけのイメージから完全に遮断されたまま、
「高校生」と向かい合い、得体の知れなさや距離感を感じ続けていたんだ。
何だかとても馬鹿げてる。あの頃の自分が鼻で笑う。
自分の高校時代のことを想像することすらできていなかったなんて。
一昨日は遠足の引率だった。ゴールデンウィークの谷間の一日を
とりあえず埋めるように設定されたスケジュール。
バスを連ねて琵琶湖の湖岸に出かけていき、バーベキューをする。
別に担任を持っている訳でもないし、
僕はただぼんやりとくっついて行っただけだ。
仕事と呼べそうなようなことは何もしてない。
教員チームが固まってるところに加わって、
はしゃぐ生徒を横目に見ながら焼肉などつついていた。
「おまけ」の所在なさ。
日ごろ忙しさの中でほとんど話をしたことがない先生と言葉を交わす。
天気は良く、湖面には暖かな陽射しが照りつけていた。
砂と呼ぶには目の荒い感じの砂利の浜。
定番どおりに植えられた松林。
背後からは緑の濃い山肌が間近まで迫ってくる。
琵琶湖バレースキー場があるのはあの辺りか。
泥警、ビーチフラッグ、西瓜割り。
短い時間をフル活用して時間を埋めていく生徒たち。
水に飛び込むのが何人か。
そのうち段々と調子に乗って、落としっこが始まる。
学年の「メジャーな」やんちゃ坊たちが集団になって駆けずり回る。
暴徒化？有り余るエネルギーの発露。
女の先生が一人標的になっていた。
自分が高校生の頃、水泳部ではそんな出来事が
日々繰り広げられていたな、確かに。
走り回る無駄なエネルギー。
若いっていうのはそういうこと？
帰りがけのバス。
僕を含めて物理の先生が3人居るのだけど、
そのうちの一人と話をする。
相変わらず授業を進めるペースが掴みきれず、
準備も相当にきつい、なんて愚痴めいた話をしていたのだけど、
やがて話の流れから彼女と出身高校が同じであることが判明した。
京都くんだりまでやって来て、同じ横浜の高校の卒業生とはね。
年は僕の方が少し上だけど世代は近いから、
どんな先生が居たか等という話でひとしきり盛り上がった。
そう、そんなことがきっかけになって記憶の堰が穿たれたのだった。
長年思い出したこともないようなイメージが芋蔓式に
浮かび上がってくるのは不思議なものだ。
ぐちゃぐちゃっと丸めて押入れに押し込んでいたものが、
陽のあたるところへと引きずり出される。
そうした記憶はいつの間に抑圧されていたのだろう？
日々の出来事、目の前の事どもに心取られる間に、
色褪せ、遠ざかり、翳んでいき、
いつしか忌むべきものとさえ感じられるようになるのは何故？
自らが辿ってきた道を振り返り、そいつをしっかりと受け止めることが、
今の自分を支えてくれるはずだというのに。
自分の中に眠りこけている自分はあと一体どれだけ居るのだろう？
無意識の層は深い。
浮かび、現れ、沈みこむ。
時は何者かを生成する。
攪拌し、循環を促すがよい。 |
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| 2004/5/8 (Sat) |
仕事モード |
土曜日。
昼ごろに起き出す。
時計を見ると12時間ほど眠り続けていたことが判る。
昨日は2時間、一昨日は4時間、
授業がある前の日は、夜遅くまで予習に追われるのが、
学校で働き始めて以来パターン化しつつある。
ちゃんと眠っていないと頭がボーっとするし、
良い講義なんてできないなと思いつつも、
準備せぬまま教壇に立つのは怖い。
何しろ「物理」そのものから離れている期間が長かったし、
しかもそれを高校生のレベルに合わせて教えるとなると、
毎回毎回ゼロから準備する必要がある。
昼間、授業の合間を縫って準備をすればよいのだけど、
他の仕事もあってなかなかそうは行かないのが実情。
喘息でだいぶ身体が弱ってると感じる時期に、
多分今までで一番キツイ仕事をしていると思う。
今働いている高校はバリバリの進学校として実績を伸ばしている。
（昨年は進学コースの生徒160人程のうち40人が京大へ行った。）
補習授業なんかも随分あるし、中間・期末の定期試験の他、
土曜日に校内試験をしたり予備校主催の模試を学校受験したり。
一人一人の成績をきっちりコントロールし、
志望校の決定に至るまで相当にきめの細かい指導をしている。
（品質保証体制のしっかりした工場に近い!?）
その上更に、受験とは全く切り離したところで、
将来のリーダーや研究者を養成するという名目のもと、
「研究手法を学ぶ」探究講座というのがある。
生徒が主体的に課題設定を行って独自に研究を進める、
という内容のものだ。
それがこの高校のセールスポイントの一つにもなっている。
とは言っても、実際大してモノも知らない高校生が
いきなり「研究」なんかできるかとなると、
そこまで突き抜けた生徒が滅多に居るはずもなく、
基本的には教員が上手くサポートしなくてはならない。
そのためには教科書に従って「普通に」授業をするのとは
ずいぶん異なる資質が求められる。
この探究講座を本当にしっかり指導できるなら、
自身が一線の研究を担えるような人だろうし、
そんな人はそこら辺には転がっていないというのが実情。
それでともかく現役の大学院生なんかを雇ってきて
手伝ってもらうような構図になっている。
昨年はこの探究講座だけをアルバイトで手伝っていたけど、
授業との掛け持ちで担当する身になってみると、
このギャップはなかなか身に応えるものがある。
それからこの高校のもう一つの特殊性として、
いわゆる「探究コース」の生徒とは別に、
「普通科」が２クラス存在していることを挙げられる。
この普通科がさらにＩ類、�粁爐肇譽戰詈�けされていて、
生徒は縦に３段階に階層化されていることになる。
講義を持つ側としては、理解の速度の異なる生徒に
それぞれ対応することが求められるわけだ。
僕は今、探究科の2年生と3年生を1クラスずつ、
普通科の2年生を1クラス教えているけれど、
それぞれが全く違った雰囲気になるのは面白い。
授業をするのは普通科の方が楽かな。
素直で正直な生徒が多くて割と反応が掴みやすいから。
探究科の生徒は個性的な人間が多く、
プライドが高いというか、生意気と言うか、
授業は多少バトルの様相を呈する。
小細工は見透かされちゃう、というか。
それもまた緊張感を保つ意味で良いと思うけど。
そんな多様な講義展開に対応するだけでも大変だけど、
「本業」の教育とは別に、先生は皆、
一人一人色々な仕事（雑用?）も担当していて、
そっちに多くの時間を取られることもある。
クラス担任、部活顧問、教務担当なら時間割を組んだり。
僕の場合、コンピュータや図書館まわりの
仕事を担当する部署に放り込まれたので、
ネットワーク管理の手伝い作業なんかが降ってくる。
その上ホームページ作成を担当しろなんて言われると、
これだって真面目にやれば充分一つの仕事として
成立するんちゃう？って気分になる。
そんなこんなで。
でもまあ、体力的にはキツイけど、
少し余裕が生まれてきたとは思う。
こんな状況を整理するような文章を書けたりもして。
自分が高校生だった頃の感覚を思い出しながら、
物理や数学の問題を真剣に解いているうちに、
ボンヤリと抽象的な世界に迷い込んでいた
最近の自分に気付かされることもあるし。
一種のトレーニングみたいなものなのかな。
なんとかやっていきますか。
さて、気体の分子運動論の講義に入るまえに、
ボルツマンのＨ定理のことでも復習しておこうかな。
エントロピーについて考えるのも随分サボっていたし。
ひとまず仕事モード。 |
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| 2004/6/7 (Mon) |
思考メモ 1 |
もういやんなっちゃったなぁ、という感覚が充満。
何が行き詰っている？
進学校で着々と詰め込み教育が行われていること？
会話が噛み合わぬ。
教師!
この閉じたサークルのなかに入り込んでいけない。
オレの生来の人見知り傾向が顔を出しているのは確かだ。
こっちの方から心を閉ざしているうちに、
関係は固着化していく。
少し笑って、心にゆとりを持てればいいのに！
外部のものを呪っても仕方が無いじゃあないか。
煙草を止め、瞑想をし、ストレッチやジョギングをし、
人の目をみて話し、慌てずゆっくりと、を繰り返すこと。
変化は自分の中からしか起こらない。
待っていても、逃げてもどうしようもない。
問題は？
オレが「やるべきだ」と感じていることをきちんとできていないこと。
そいつが根底にある。
社会のあり方とのインタラクションはもちろんあろう。
簡単にわかってもらえぬ、食うことができぬ、というのは大きい。
さりとてそんなのは誰しも同じじゃないか？
だからこそ皆は自分のワールドに閉じこもり、食うこと第一になるんだ。
はね返し、自らの道を切り拓いていく生命力が必要なのではないか？
ルサンチマンに食い現れるうちに、
出口の無い悪循環に飲まれるのもアホらしい。
頭をクリアに保て。
問題は何だ？
課題は？
オレの進む道は？ |
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| 2004/6/8 (Tue) |
思考メモ ２ |
ここで働きながらオレがぶつかっている問題、それは何か？
会社で働いていたときに感じた問題と一緒だろうか？
社会構造？
一人一人の心理傾向が組み合わされたマクロ的な挙動に由来する問題か？
それとも自分自身を律することができずに居ることに端を発する
イライラなのか？
人見知りだとか、姿勢が悪いというような、
生まれながら、或いは習慣として深く根を張ってしまっている
自分の性質によるものなのか？
内にも外にも。
倫理の問題。
外部環境への応答に専念するフィードバック機構の過度の発達から、
内部規範をもとに自己制御を図るフィードフォワード機構の方へと
切り替える必要性があるのでは？
オレが明らかにしようとするものは何だろう？
それは何かやってみないと分からない？
直観は叫ぶ。
「答えは明白じゃないか」。
だがそれが性質の悪いルサンチマンに塗れた視点に
限定されていないかどうか。
「オレにいい思いをさせろ」というような。
そこに還元されてしまうものではないか。
。。。
抽象に逃れ行くものどもを
この身に引き寄せ引き寄せ
語り始めよう、具体的なことを
普遍性なるものは
結果として現れる強度に過ぎぬことを
嫌ほど知っているじゃあないか
閉じた環のなかで繰り返される運動は
いつも恐ろしいほど似通っていて、
そう、雪の結晶の形や
粘菌のつくる樹形のように
パターン化された必然なのであって、
僕らが目指すべきところというのは
そこに取り込まれた部品として生きることを是とするのでなく、
それを踏み越えていくような
進化のPathを模索することのはずだ。
それもまた、そう、
そうして複雑性をもう一つステージの高いところへ押し上げ、
新たな秩序を作り出していくこともまた、
生の一面なのだ。
間違いなく。
。。。
君は生きるかい？
踏み越えていくことを恐れずに
踏み外すことをためらわずに
賭けてみるかい？
もっともっと大きな喜びを求め
それが幻想である可能性を見据え
それでも背筋を伸ばして
己を投げ出してみるかい？
顔を上げて
この一歩一歩を
確かにこの足で歩いてみるかい？ |
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| 2004/7/2 (Fri) |
思考メモ ３ |
久しぶりの解放感。
金曜日。
何とかやれることをやったという感触。
色々なことを言い過ぎてしまったかな、
というようなちょっと落ち着かない感じ。
独り言を言わないとどうにも止まらぬ滑り感は
湧き上がってくるのだけれど、
これで良いという思いが確かにある。
考えていることをちゃんと出すということ。
3年生の授業で語ったこと。
自分の授業のヘボさや「小さいこと」を乱暴に扱う
粗雑さのことは一旦脇におき、
（参考）の部分が多すぎる、という指摘に対して、
知とは、学ぶこととは、
枠の中に閉じ込められた何かを受け取ることではないということ。
現代の情勢、環境問題、エネルギー問題といった
未だ答えの無い問題に取り組むスタンスには、
「分からない」ことをきちんと受け止め、
自分なりの形で乗り越えていくための知を
次々と吸収していく態度が求められるということ。
オリジナルな知をつくるということ。
そんなことを10分程の時間に詰め込んだ。
目の色を変えた奴が居た。確かに。
これで良いのだと思う。
改めて丁寧に、きちんと授業を作っていこう。
頑張ろう。
オレは生きている。
何かが動いている。
ゆっくりだけれども、確実に。
オレが壁にぶつかり、放り出して投げたくなるとき、
それはオレの中の何かが試されているんだ。
こうしてオレは今開かれていく。
逃げない。
正面からちゃんと考えて、言葉に出していくこと。
自己否定の泥沼のうちにあるとき、
もがきもがいて、
自分の目一杯のところから出てくるものを信ぜよ。
。。。
知なるものは
かくも不定形でありながら
さりとてかくも確かに存在し
手渡され手渡し
僕らを貫いて流れていく
あきらめるな
逆風の中にその種を蒔け
生というのは
そうしてつくられていくのだから
手を伸ばせ
もっともっともっと
太陽に向かって
伸びよ |
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| 2004/7/7 (Wed) |
さて、そろそろ書くとするか |
もがいていた。
とにかくもがいていた。
ぽん、と紛れ込んでしまった異世界のなかで。
井戸の中。
Down,
down, down.
Alice went down a big hole.
At last she came to strange
country.
She came to
wonderland...
昔々、中学校の頃に暗誦したフレーズ。
ハンプティダンプティやら時計ウサギやら、
ケッタイな生き物が突如現れて、
脈絡もない断片的な会話が展開されていく。
そう、不思議の国。
放っておくと脳味噌が溶け出してしまいそう。
狭い狭い世界なんだ、実際のところ。
気付いてみれば。
ドロドロと渦巻く流れ。
誤魔化され、歪められたコンプレックスは垂れ流され、
不安を餌にし、負のエネルギーを吸収しながら、
構造が人をつくり、人は構造をつくり、
抜けられぬ閉じたループのなかを
その粘性の高い流体は流れ続けている。
一生懸命に人のために何かをやっている、という体を装って。
馬鹿げてる。本当に。
受験などという、所詮はゲームに過ぎぬものを
錦の御旗のように御大層に掲げることの滑稽さ。
その先には金儲けやら椅子取りゲームが続いていく。
そんなちょうどいい逃げ場に殺到する未成熟な精神。
そういうこと。
方位磁石はグルグルとまわり続けて方位を示さない。
オートポイエーシス。
生命体は環境とカップリングしながら、
非可塑的にドリフトしていく。
潜水艦の中で生まれ育ったものは、
計器の見方を知り、その表示値に従ってレバーの操作をできるけれど、
艦が何処へ向かっているかなど知る由もないし、
大地に何があるかなど考えることもない。
そう、まあ生物なんてそんなもの。誰しも。
だけどさ、「鳥瞰する」という一種の呪術を獲得し、
知の地平を切り開いてきた僕らの歴史に、
誇りめいたものを感じないのかね。
人間として生きていることの歓びみたいなものを。
それが幻であるとしてもだよ。
いい加減つまらぬお付き合いはやめて、
ちゃんと人間らしくあることにしよう。
汚い尻を互いに撫で回すような人は放っておいて、
勝手にやろうじゃないか。
逆風の中に立って、
灯火を掲げる人が居る。
そっちに賭けようじゃないか。
どうせ生きるなら、
その方がいいや。
さて、そろそろ書くとするか。 |
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| 2004/7/20(Tue) |
思考メモ 4 |
2-1で「物理とは何か」的な話をして空回り。
また悪いクセが出る。
落ち着きを失い、息が切れそうになる。
本当、駄目だなぁ。
もう少しゆっくりやればよいのに。
Aさんの慣れた実験ショーの様子を見て、
パニック状態になりかけていた。始める前から既に。
準備不足。
あれだけ大きく、ボワッとした話をするには、
足を止め、息を整えて、丁寧に言うべきことを
押さえていかなきゃイカンというのに、
まさに「浮足立つ」ってやつだな。
駄目だこりゃ。
準備が足りない、ということ以上に、
もっと基本的なこと、
人との距離を取れないという部分でまたハマっている。
情けないなぁ、もう、情けない。
人をなめてるのかな、やっぱり、心の中で。
人を人と思わぬ部分があるのか？
観念を追ってそれを語ろうとする以上、
もっと自信を持っていなくては。
弱気なコトバ、投げやりなコトバが、
自分をそちらに追い込んでいく。
もっと強くならなくては。
鈍感にならずとも、コトバに気をつけるだけで随分違うはず。
基本ルールは
・目を見て話そう
・ネガティブな言葉を避けよう
（とくに自虐的な言葉が自分を窒息させる）
・ゆっくり、ゆっくり、息を整えて。鼻から息を吸う。
・板書をするときはバカみたいに丁寧に。
（大丈夫、大丈夫、急がば回れが正しい）
・準備を！とにかく自信を持てるまで。
（間に合わないときは開き直るテクが要るけれど）
愚か者か？オレは。何度同じことを繰り返す？
くやしいと思う？ならいつも心に言い聞かせろ。
慢心と、気の緩みとが心に巣食っている。
文章を書いたって、研究したって、
そこのところがきちんとできないと結局何事もできぬ。
「山月記」の虎になってしまうではないか。
煙草さえ止められぬこと。駄目だ。
自虐は止めよ。生きねばならない。
己の仕事を為さねばならない。
何を為す？
立て直さなくては。
求めるものに近づいていけ。
オレは何を求めているのか？何を求めているのか？
「正しいこと」を知っていると思っているのか？バカ者。
ぐちゃぐちゃにこんぐらがった思考をほぐして、
再びきれいに並べていかねばなるまいよ。
話の分からぬものを相手にするな。
他者の評価に踊り、商品化されているくせに、
それを自覚して闘おうとしているくせに、
お前は弱すぎるのではないか？
生きろ、生きろ。
こんなところで窒息している場合じゃないだろう？
これでいいのか？踏み出せ。
慌てなくていい。一歩ずつ。
ゆっくりでいいんだ。進め。
それが必要だ。
さあ、何をするんだ？
何を語れるのだ、オレは？
誰に、何を語ろうとしているのだ？
それは安定を手にするためか？
それもあろう。
それは力の感覚を手にするためか？
そうだ。そうだ。
己を律せよ。それが最大の課題。
行け。飛べ。
ゆっくりと。しなやかに。 |
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| 2004/7/24 (Sat) |
思考メモ5 |
ここ最近「共同体」について考えている。
あるいは考える必要性を感じているというべきか。
マトゥラーナ「知恵の樹」を読み進めるうちに
言語と「言語域」のテーマに触れているところで
刺激されたところもあるかもしれないが、
むしろ自分自身のなかで既に処理され、整理された思考を
もう一度呼び起こし、掻き回し、再言語化していく
必要性を感じたというべきか。
高校生のころ、そして大学生の初期、
「心理学」や「精神分析学」に深入りする前の僕は
社会と共同体の問題をとても重要視していた。
今、周囲に共同体に無意識のうちに組みこまれ、
なおかつ意識の方は高らかに
「個」を「所有」を「競争」を「成長」を肯定する、
そんな人間を目の当たりにするなかで、
僕はあらためて、そこに切り結ぶことのできる言葉を
用意しておかなくてはならないと感じる。
具体的に、焦点を絞ったコトバを持て。 |
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