作品
 私にとって大切なことは今を元気に生きることです。言葉で言うのは簡単ですが、それは実際なかなか簡単ではありません。何しろ弱い人間ですから、様々な出来事に翻弄されてあっちへ揺れこっちへ揺れ、という風に生きているのが現実です。社会と関わりながら生きる以上、究極の知恵=解脱のようなものは無いのでしょう。だからと言って 「確かなものは何も無い」 というような刹那的、独我的な感覚に身を委ねてしまうことは、心の奥に暗い虚無を抱え込んでしまうだけです。波を打ちつつも、いかにバランスを保って 「前へ」 進んでいくことができるか、すなわち 「元気」 でいられるか、そのために必要になるのが 「知恵」 だと思います。
 私は不器用な人間ですから、小さな問題でも馬鹿正直に受け止めるような生き方をしてきました。意味の無いことでくよくよ悩んでると捉えられる向きもありますが、それは違うと思うんです。ゆっくり、本当にゆっくりですが、様々なことをあきらめずに考え続ける中で学んできたものが確かにあります。
 人が長い歴史を通じて獲得してきた知恵の群れ。それが風化に耐え、生き延びてきたのには必ず根拠があるはずです。各々が各々の時間を生きる中で創りあげ、そうしてまた別の人々が粘り強く支える。確かな知恵というものは、単なる偶然によって生まれ、残っていくのではない。いつだって何かを創り出していく意志があったのだと思います。
 私が自ら獲得し、実践し、また表現していきたいと願っているのは、そうした確かな知恵です。世の優れた知恵を学び取り、かつそれがどうして自分を元気にしてくれるのかを理解していくこと。願わくば自らも新たな知恵を創りだしていくこと。
そうして強くしなやかな生を求めていきたいと思っています。

(2005/2/1 記)

 Contents
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  ◆ 「倫理の行方」 (2003年9月)

 会社を辞めてから初めて書いたまとまった文章です。自分がこれからどう生きていったらいいんだろう、と自問しながら書きました。世の中、行き詰まり感が蔓延していると感じているのは私だけでしょうか?不安やあきらめに押し潰されずに「元気」に生きていくにはどうしたらよいでしょうか?世界が良い方向に変わるためには、一体何が必要なんでしょうか?
 答えなんか振ってきません。問題が自然に解決されることはありません。自分が方向を定め、そちらに向って進んでいく以外には方法はないのです。


  ◆ 「光のエントロピーに関する考察」 (1999年2月)

 大学の修士課程のとき、環境問題・エネルギー問題の本質とは一体何なのだろうと考えていました。そこで自分にはとてもしっくりとくる説明を与えてくれるエントロピーという概念に行き当たったのです。ここで紹介する論文は、エントロピーの概要説明を行なったうえで、太陽光や赤外放射のような光のエネルギーの「質」に関する考察をまとめたものです。
 物理学にあまり触れたことのない方、数式を追うのはシンドイでしょうし、序論、第一章だけ読んでもらえればと思います。何でこういうことを考えるに至ったのかを真面目に(しつこく?)書いています。科学に詳しい方、理論に関する批判(できれば前向きな…)も大歓迎です。
 私はエントロピーが生命を考える上で重要な役割を果たすと考えています。いずれは 「エントロピーとは何か」 的なものをまとめたいと思っています。


  ◆ Old Diaries (1999年〜2003年)

 ふとしたきっかけで久しぶりに昔の日記を読み返してみました。 言葉が乱暴な部分はあるけれど、考えている内容は現在の自分に連続的に繋がっているなぁ、と改めて驚きました。 基本的にこのHPの 「日々の雑感」 の前史みたいなものですね。そこでその中からある程度まとまりのあるものをUPしていくことにしました。 僕がどういう思考の過程を経てきたかをざっと見て頂けるんじゃないかと思います。 案外4〜5 年前の方が今より鋭い視線を持っているところさえあるかも知れません。


  ◆  書評 (2003年10月〜)

 もともと本は乱読する方で、丁寧に内容を整理し直すようなことはあまりしてきませんでした。 受けたインスピレーションから思考を展開させ、親しい人に語ってすっきりしてしまう、という感じで。 メモを残しておいて何かのときに利用するというのは、理論武装のために読むみたいであんまり好きじゃなかったのです。 本を読むのはその場の一発勝負だ、みたいに考えてました。
 ただ、年を経るに従ってどうやら自分の記憶を引き戻すためのインデックスのようなものが必要だな、という個人的なニーズを痛感するようになってきました。 他者に対する武器としてでなく、自分をもっと豊かにする道具として。ということで、 ここでは今後読んだ本から受けた印象などを備忘録的に記録していこうと思っています。場合によってはごくシンプルなメモのレベルにとどまることもありますが。。。



  ◆ 生の原理 − ラフスケッチ (執筆中)

 「私はどうしたら良く生きられるか」

 自分の生を本当に満足いくものにしたいとは、誰しもが願うことでしょう。今、私が展開したいと考えているのは、生の原理と呼べそうなものを自分なりに捉まえ、そこから元気で生きていくための方法論を導き出していこうという試みです。(まぁ 「哲学」 そのものです。)
 それは簡単な作業ではないし、実際のところライフワークとしか言い様がありません。ただ最近、自分のなかで形を取りつつあるイメージがあるのです。まだぼんやりとしている部分も多いですが。今はとにかくそいつを解放したいと思っています。それでこの場でラフスケッチを試みることにしました。何にしてもまずは始めなきゃ仕方ないですから。
 この作業は元々、大学へ行って土台作りから丁寧にやっていこうと考えていました。でも路線変更して独力でやってみることに。こういう観念的な操作ってしんどいんですよね。虚無が追っかけてくる前に、とにかく駆け足で表現できるものを表現していこうかと。


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